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令和元年度 第1学期終業式式辞

令和元年7月19日

令和元年度 第1学期終業式式辞

みなさん、まずは、子猫のお話をします。

6月24日の朝、校門脇の通学路に瀕死の子猫が倒れていました。多分車にはねられたのでしょう。ほとんど虫の息だったそうです。その猫を発見した数名の生徒たちが保健室の先生になんとか助からないかと相談しました。先生はすぐに病院へ搬送、数日間入院した後、その子猫は元気に回復したそうです。その後飼い主の方から、学校へ丁寧なお礼状が届きました。生徒と先生の心のリレーが、小さな、でもかけがえのない命を救うことができました。小牧南高校が大切にしている、他人の立場に立ち、その人の痛みや、苦しみ、喜びを自分のことのように感じるこころ、つまり本校の校訓である「恕の心」が、生徒と先生方の心に深く刻まれ、実践されていることに大変感動しました。

「恕の心」を知識のみで終わらせず、実際に行動することで、その心を深く理解し自分のものにする。まさに、本校の校訓である「知・行・恕」そのものであり、それが当たり前のように自然とおこなうことができる、本校の生徒及び先生方を誇りに思います。

さて、いよいよ明日から夏休みです。この1学期間、どんな努力をしてきましたか。1学期の始業式では、「貴重なかけがえのない3年間、一流の努力のもと、心豊かな人間に成長してください。」というお願いをしました。では、「一流の努力」とはなんでしょうか。

かつて大リーガーのイチローは、「小さなことを積み重ねることがとんでもない所に辿りつくただ一つの道である。」と言いました。確かに、どんな世界でもその道のプロになればなるほど、小さなことを大切にしています。いいかえれば、小さなことに対しても全力を尽くし、それを長年積み重ねることができる人がプロになると言ったほうがよいかもしれません。実は、経営の神様と言われた松下幸之助さん、江戸時代の二宮尊徳など、偉業を成し遂げた人々も全く同じことを言っています。

つまり「一流の努力」とは、「全力を尽くして小さな努力を毎日積み重ねること」ではないでしょうか。

千里の道も一歩から始まります。すべては一から始まり、その積み重ねで大きな事業が達成できるのです。勉強も同じです。毎日毎日、全力を尽くして1問ずつ問題を解き、1ページずつ理解し、少しずつ知識を増やしていく。このことを長く続けて初めてその学問を理解し、自分のものとすることができるのだと思います。部活動も同じです。毎日毎日全力を尽くして基本を練習し、少しずつ技術を身に付け、それが試合に成果として現れると思います。

でも毎日努力を少しずつ積み重ねることは苦しいですよね。あのイチローも言っています。「そりゃ、僕だって勉強や野球の練習は嫌いですよ。誰だってそうじゃないですか。つらいし、大抵はつまらないことの繰り返し。でも、僕は子供のころから、 目標を持って努力するのが好きなんです。だってその努力が結果として出るのは、うれしいじゃないですか。」この言葉から、イチローも苦しみながら「一流の努力」を積み重ねていたことがわかります。君たちも、苦しくても小を積み重ねることで大きな成果を得ることを、この夏休みにぜひ体験し、「一流の努力」を続けてください。

さて、本校の正門に向かって右に写真部の全国大会激励の横断幕が掲示されています。この後の激励会で、詳しく説明があると思いますが、全国大会への連続出場は、快挙であり、健闘を祈りたいと思います。また、今日配付するPTAの学校便りには、一学期の各部活動の活躍の記録が掲載されています。県大会に出場した男子バレーボール部、卓球部、陸上部、柔道部、野球部だけでなく、団体に個人にたくさんの選手が活躍してくれたことを嬉しく思います。選手の健闘をこの場を借りて讃えたいと思います。この夏も暑さにまけず部活動の練習や試合が行われると思いますが、さらなる活躍のために、「一流の努力」を積み重ねてください。

明日からは夏休みです。勉強と学校祭の準備や部活動との両立にチャレンジする生徒、部活動で全国大会に挑戦する生徒、自分の目指す進路実現のために決意を新たにしている生徒等、様々な生徒がいると思います。健康と安全、とくに熱中症にはくれぐれも気をつけるとともに、自分を信じ、励ましながら、「一流の努力」を続けてください。その上で様々なチャンスを活かして、みなさん一人ひとりの夏を充実させてください。この夏休みを、忘れられない夏休み、自分の意思で作りあげる夏休みにしてくれることを期待します。また元気に二学期の始業式にここに集まりましょう。以上で式辞を終ります。