2学期始業式式辞 「まず 第一歩を」

 

 

みなさん、おはようございます。こうして2学期の始業式を無事迎えることができたことを生徒及び先生方に感謝いたします。

さて、1学期の終業式で、【「一流の努力」とは、「全力を尽くして小さな努力を毎日積み重ねること」であり、自分を信じ、励ましながら、「一流の努力」を続けてください。その上で様々なチャンスを活かし、この夏休みを、充実した忘れられない夏休みに自分の意思で作りあげてください。】とお願いしました。どうでしょうか。みなさん「一流の努力」を続け、忘れられない夏休みとなったでしょうか。

東京ディズニーランド舞浜駅からさらに電車で約20分のところに谷津(やつ)干潟があります。現在は、野鳥の楽園・国設鳥獣保護区として、またラムサール条約登録湿地として習志野市のシンボルともなっています。しかし、かつてそこは、埋め立てを前提に半ば公然とゴミが投げ捨てられ、ヘドロと悪臭にまみれた、習志野市の恥部とまで言われた場所だったのです。

今から二十数年前、たった一人で、ふるさとの海を守りたい、ただその一心で、一周3.5kmにも及ぶ長方形の護岸の前にうずたかく積み上げられたゴミに立ち向かう決意をした青年がいました。森田三郎さん(当時29歳)です。新聞配達の合間をぬって、市川市からバイクでゴミ拾いに通い始めた青年に、好意的な目を向ける人はほとんどいませんでした。悪臭に悩まされ、早期埋め立てを望んでいた地元住民の中には、彼をよそ者呼ばわりし、目の前でゴミを捨てて行く者までいます。そして行政には干潟のゴミの引き取りを拒否される。そんな状況のなか、たった一人で谷津干潟愛護研究会を設立し、雨の日も雪の日もゴミ拾いを続け、5年が過ぎようとしていた頃でした。彼の情熱に心をうごかされた地元の主婦が、ついに三郎にゴミ拾いの手伝いを申し出ました。それから徐々に支援者の輪が広がり始め、多くの市民が参加しての谷津干潟クリ-ン作戦の開催、主婦を中心とした谷津干潟環境美化委員会の設立、森田三郎さんの支援者・ゴミ拾いの仲間達による谷津干潟友の会のPR活動などをとおして干潟保存の気運が高まり、ついに市による埋め立ての方針が撤回されるに至ったのです。そして、森田さんがゴミを拾い始めてから14年目、谷津干潟は国設鳥獣保護区特別区に指定され、18年目にラムサール条約の登録地になりました。

森田さんは、習志野市議会議員を経て千葉県議会議員となった現在でも、仲間達とゴミ拾いを続けています……。(谷津干潟友の会HPより抜粋)

子供の頃遊んだ海を取り戻したいという思いを、ゴミを拾うという具体的な行動として第一歩を踏み出し、それを毎日続けた森田さん。彼の行動はわれわれに大切なことを教えてくれています。「夢を持つことは大切です。ただ夢に向かって第一歩を踏み出さなければ、何もしなければ、いつまでたっても夢は夢です。しかし、夢に向かって何か行動を起こせば、たとえそれが小さな一歩でも、100日たてば100歩進むことができますよ。」と。

生徒のみなさん、まず目標に向かって一歩を踏み出しましょう。その小さな一歩の積み重ねがまさに「一流の努力」なのです。そして、自分を信じ、励ましながら、「一流の努力」を続けてください。その上で様々なチャンスを活かして、みなさん一人ひとりの学校生活を充実させてください。その経験が「生きる力」につながります。

今日がそのみなさんの第一歩となることを期待します。

最後に、いよいよ第40回の牧南祭が近づいてきました。今年のテーマは『とまるんじゃねえぞ』、テーマソングは『WanteD!WanteD!』です。牧南祭の開催に向けて、企画・準備・運営に携わっていただいている生徒会の役員や文化祭・体育祭実行委員、各クラス委員、先生方に心より感謝いたします。「牧南祭」は単なるお祭りではなく、日頃の皆さんの活動や部活動の成果を発表する場であると共に、学年やクラスの枠を飛び越え、牧南生一人一人がお互いの絆を深める場でもあります。本校の歴史に新たな足跡を加えるべく、学校がひとつとなり全力で取組みましょう。牧南生よ とまるんじゃねえぞ!

以上で2学期始業式の式辞を終わります。