28年度 研究報告

本年度の研究目標

  1. 国語科において、アクティブ・ラーニングを導入するに当たり、各評価の観点に対応したパフォーマンス課題及びルーブリックを開発し、パフォーマンス評価を各教材の一連の指導の中で、有効に行う方策を研究する。
  2. 「思考力・判断力・表現力」を磨くことを目標とし、言語活動を充実させるために、メディアリテラシーを養うための授業方法を確立する。
  3. グループ単位の活動を通して、対話的、主体的な学びの機会を創出し、自己評価や、相互評価をより確かに行えるようにする。

年間の実践研究内容

実践日と内容 教科科目と単元 実践内容
6月21日
授業実践
古典B「語の識別」 教え合うことによって語の識別に習熟する
7月4日
授業実践
現代文B「山月記」 マイクロディベートの形式で、「山月記」の研究を行う
7月14日
先進校視察
愛知県立岡崎西高校
9月
授業実践
現代文B「意見文を書こう」 意見文を書く学習に、相互添削や 相互評価を取り入れる
10月11日
先進校視察
愛知県立日進西高校
10月28日
公開授業・研修会
公開授業(現代文B「内的成長社会へ」)
名古屋大学柴田好章教授による講義・校内研修会
10月
授業実践
古典B「大鏡 競射」 グループ学習による本文の脚本化を行う
12月7日
授業実践
古典B「まきなん短歌道場」 短歌の創作を自己批評、相互批評の学習へ発展させる
1月31日
公開授業・研究討議
公開授業(古典B「鴻門の会」)
パネルディスカッション
2月14日
本校訪問
広島県立大門高校から視察に訪問、研究協議
3月
授業実践
現代文B「こころ研究」 ペア・ワークによりKの自殺の原因を本文から論理的に読み取る

研究成果の評価及び普及・還元について

(1)研究員の自己評価

平成二十八年度の一年次の研究では、二年生を対象に、現代文、古典でアクティブ・ラーニング(AL)の授業研究を行った。授業公開を二回実施したので、それなりに緊張感のある一年目の研究となったのではないか。御指導いただいた、酒井、柴田の両先生及びに高等学校教育課、総合教育センターの先生方からは貴重な助言をいただいたので、その内容を「研究のまとめ」の第1部にまとめた。他教科にも役立つものと考えている。二番目のパワーポイントの資料にもあるように生徒会活動もALの一環として行ったが、たまたま生徒会のメンバーがALを導入したクラスの生徒であり、相乗効果を実感することとなった。生徒会活動の中心となった生徒は総合的な学習の時間でも活躍をしており、学校の教育活動全体に、ALの成果が反映したことは明らかである。研究にあたった、国語科の青先生、池山先生は、各単元、各授業の折に生徒の言語活動を刺激するような授業実践を地道に行っておられた。その一端は第三部の授業実践資料にまとめてある。今後の授業実践に役立つものである。二年次は、地理歴史科、公民科にも広げていく予定であるし、両教科の連携も視野に入れていきたい。(研究総括者:小塩卓哉)

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研究初年度ということで、試行錯誤の連続の一年であった。経験年数を重ねているだけに、すでに「自分の授業の型」ができてしまっており、新しい型を作ることが難しかったが、単元の内容に合わせて、いろいろな型を試していくことは発見の連続であり、予想もしなかった失敗や成功を経験する貴重な機会となった。さまざまな試みは生徒にも好評であり、いつも楽しくいきいきと活動する姿が見られた。しかし、楽しいだけでは深い学びとは言えない。生徒自身が、その授業を通して何かを得たという実感をもってはじめて成功したと言えるだろう。そう考えると、自分の未熟さばかりを思い知る一年であった。今後の研究の中でも、生徒の深い学びを最重要事項ととらえていきたい。私の拙い授業実践に対して、中京大学酒井先生、名古屋大学柴田先生はじめ、多くの先生方から貴重なご助言をいただき、感謝している。二年次も生徒の学びが深まるよう、実践していきたい。(研究主務者:青ちづる)

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研究が始まった当初は、ALとは何か?という手探り状態からのスタートであったが、一年を通して多くの先生方から御指導・御助言いただく貴重な機会を得て、ALについての知識やさまざまな工夫が込められた授業実践例を知ることができ、道筋を持って取り組むことができた。しかしいざ自分が実践するとなると、どのように授業をデザインすれば深い学びにつながるか、どのように生徒へ働きかけるか、どのように評価へつなげるかなど、壁にぶつかることが多かった。うまくいかなかった実践もあったが、生徒が意外な一面を見せてくれた時には、驚きやうれしさと同時に、生徒の秘めている力の大きさを改めて実感した。「生徒が頭を働かせるようにするには」、「生徒の秘めた力が伸びるようにするには」という意識を、今後も常に心がけて授業をしたい。授業手法やルーブリックの開発など、まだまだ取り組むべき課題は多く、二年次は、さらに新たな実践に挑戦していきたい。(国語科:池山朋花)

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(2)研究成果の普及・還元

  • 公開形式よる研究授業は、1回目は、アクティブ・ラーニングの研究校に、2回目は近隣の高校及び中学校にも開放した。2回目は、モンゴル教育文化科学スポーツ省、モンゴル国立教育大学、モンゴル国内の私立学校教員、名古屋大学関係者ら計16名が参加し本校学びの方法を持ち帰られた。
  • 授業研究の専門家からの授業方法、評価に関する知見を多く得られた。
  • 現職研修として、指導教授の講義を行うことで、広く教員にアクティブ・ラーニングに関する意欲を高めることができた。
  • 積極的に学会、研究会に参加し、発表することで、本校の事例の普及に努めた。
  • 研究1年次の中間まとめを作成し、校内他教科への普及のために供している。

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